ソニーと錦織圭は、2008年から2011年までスポンサー契約を結んでいました。
ソニーのテレビCMなどで錦織圭を観た方も多いのではないでしょうか。
そんな錦織圭とソニーの関係、、、実はスポンサー契約だけではない、様々な“縁(えにし)”が絡んでいるのです。
目次
ソニーといえば・・・
ソニーは、最近では業績の赤字続きでトップ交代を繰り返し、再起を図る電機メーカーとなっていますが、元々は、VAIO(パソコン)やウォークマンなどの最先端の技術を世に繰り出して来た先見性を持った会社でした。
特にウォークマンや、オーディオなどの分野が強く、以前の会長で創業者でもある盛田昭夫氏がマイケルジャクソンとも親交が深いことも有名な話です。
盛田正明テニスファンドの設立とその目的とは!
そんな盛田昭夫会長の実弟である盛田正明氏が、私財を投じて設立したのが、『盛田正明テニスファンド』です。
盛田正明氏は、ソニーで副社長やSONY生命の会長などの要職を務めた日本テニス協会名誉会長で、世界に通用する選手を育成するためにこのファンドを設立しました。
有望なジュニア選手を選考して、アメリカの「IMGニック・ボロテリー・テニス・アカデミー」に留学させるのがこのファンドの目的で、錦織圭もこの基金の支援を得て13歳で渡米し、このIMGアカデミーに留学をしています。
有望なジュニアを選考しているわけですから、錦織圭は既にそのときから将来有望であると見込まれていたわけですよね!
そして、錦織圭が留学したこの名門IMGアカデミーは、脱落者も後を絶たないほどの厳しさだったそうですが、彼はそこでも頭角を現して、2006年には全仏オープンテニス大会ジュニアのダブルスにて優勝を成し遂げています。
ちなみに、最近禁止薬物を使用したことで、テニスが続けられなくなっているマリア・シャラポワもここのアカデミー出身の選手です。
改めて錦織圭が凄い所に留学していた事が分かりますね!
その後錦織圭は、2007年にプロに転向し、ソニーと契約を結んだ直後の2008年には初出場の全米オープンにてベスト16入りを果たしています。
それにしても、いくら錦織圭が13歳の頃とても有望な選手であったとしても、その後の成績までは誰にも保証出来ない訳で、この基金が如何にリスクを背負った先行投資であるかということがよく分かりますね。
錦織圭もその恩恵を感じていたようで、「その基金の支援がなければ、ここに自分はいなかった」とも語っていたそうです。
アメリカまでの往復渡航費や、アカデミーの費用、現地学校の学費や遠征費を考えると、ファンドの年間の運用資金は、およそ数千万規模になるとのこと。
この金額を聞くと、やはりテニスって凄くお金がかかるスポーツなんだと、改めて実感させられます。
そして、盛田正明テニスファンドの投資リスクにも改めて恐れ入りますね。
本当に辛いのは支援を受けたその後!
盛田正明テニスファンドは現在公募制になったようですが、実際その条件はかなり厳しいようで、全国レベルでベスト4以上の成績が必要になるそうです。
(選考には、米国の受け入れ先であるIMGアカデミーのコーチも加わるようです。)
仮にアカデミーに入校することが出来たとしても、年毎に定めた目標が達成できない場合は、継続して支援を受けられずに留学が打ち切りになってしまうそうです。
傍から見ると厳し過ぎるような気もしますが、それだけお金がかかっているのだから当然ということでしょうか。。。
また、盛田正明テニスファンドの支援は18歳までということですが、(18歳で)プロになるまでの留学を達成したのは、錦織圭が初めてだったそうです。
過去に17人を支援で送り出して、18歳までに留学を全うしたのは、錦織圭と、今年プロになった西岡良仁のたった二人だけとのこと。。。
留学先のIMGアカデミーが、いかに厳しいアカデミーだということが分かります。
生半可な気持ちのままじゃ、プロとして一流の選手になるのは難しいという事ですね。
ちなみにこの盛田正明テニスファンドは、支援奨学金の返済義務は無いそうですが、世界ランキング100位以内に入ったら、後輩の奨学金として年間獲得賞金の10%を、ファンドに還元することになっているそうです。
もちろん、錦織圭は既に還元を行ってますよ(笑
まとめ
錦織圭は自費で留学してアカデミーに入った訳ではなく、ソニーの元副社長が立ち上げたテニスファンドの支援を得ることでプロへの道を開く事が出来ました。
そんな盛田正明テニスファンドの支援を得てプロになった錦織圭と、彼をスポンサードして来たソニーの縁、、、中々興味深いお話です。
錦織圭とソニーの縁(えにし)は4年間で終わりましたが、これからもそんな両者の行く末を見守っていきたいと思いました。
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